Horos
Horos という医療画像ビューアがある。
オープンソースの dicom ビューアでしばらく開発が止まっていたのだが、今度 FDA 承認のバージョンが apple App Store からリリースされるらしい。メーリングリストに流れていた。
ただ、これ、イギリスの iCat という会社が独自カスタマイズしたもので、そのソースコードが公開されるかというと疑問だ。
また、horlix 開発陣が言うには
「horos の描画エンジンには、VTK という OpenGL 依存のライブラリが使われており、現行バージョンそのままだとアップルの審査に通るか疑問。OpenGL 外して再構成して使うこともできなくはないが、パフォーマンス悪くなる。FDA の認証通すだけなら、3D 機能はいらないので、そうしたのかも。
長期的に延命させるなら、VTK を Metal か Vulkan に対応にする必要があるが、そこまではやってないと思う」
だそうだ。
実際、別系統のビューアの告知もしていて、どうも本線はそちらじゃないかという気がする。
よく言われることであるが、ニッチな分野でオープンソース開発方式を維持するのは難しい。
Falcon
上で言っていた「FDA 承認のバージョン」というのはどうやら Falcon MDというアプリらしい。他に Falcon Mx というアプリもあるのだが、ここでは Falcon MD に集中。
最初に結論を書いておくと、この Falcon MD は Horos とはなんの関係もなさそう。
それは置いておいて、まずは使用レビュー。
Apple App Store にも上がっていた。
ダウンロードして手元の適当なダイコムを import しようとしたら、課金しないと使えないよ的なアラートが出てきて、断念。
2Dビューアは、こんな感じ(↓)
ここから3D表示させるには、図のように右上のプルダウンメニューから表示方法を選択する。
ここでは「Volume Rendering」。
確かに Volume Rendering はできているのだが、これをずっと続けたいかと言われると正直微妙。
スクショでは、使いやすそうに見えるかもしれないが、んー。
うまく言語化できないのだが
・画像自体がそれほど綺麗でない(ピンボケのように見える)
・マウス操作(タッチパッド操作)で任意の回転・拡大・縮小ができない
は不満。
PHORLIX 開発陣に聞いたところ、まず「ピンボケ」問題に関しては
「ピンボケになるのは、3次元を再構成するときの計算を手抜いてる可能性が高い。
より精細にすることは可能だろうが、計算量の関係(計算させると表示が遅くなるからなど)でそうしてないのかもしれない」
なんだそうだ。
操作性に関しては
「まず、ボリュームレンダリングを含む3D表示では、計算機内では物体ではなくてカメラ位置を動かしている。これが原則。
だから、マウス位置を取得してカメラ位置情報に反映させれば、任意の空間移動は可能になる。それができていないとなると、そうじゃないアルゴリズムになっている。
VTK は使っていない(上記コメント参照)。
新規のロジックを導入したんだろうけど、よくわからずに組み込んでいて、回転量などがうまく指定できていないからじゃないかな」
VTK は使っていない(上記コメント参照)。
新規のロジックを導入したんだろうけど、よくわからずに組み込んでいて、回転量などがうまく指定できていないからじゃないかな」
という推測をしていた。ちょっと難しい。。。が、この手の表示に基礎になる Ray Cast がうまく扱えていないということのようだ。
まあ、事前予測と大きくは外れていないということでしょう。
では、それそろ結論めいたことなども。
課金してまで使いたいかというと・・・NO でしょう。
確かに FDA cleared ではあるのだが
日本の薬機法は、通っているわけではないので、国内の臨床場面での使用は制限を受ける。
制限受けてもカスタマイズして使えれば、臨床以外での使い道も出てきそう。
が、開発陣曰く「Horos とは別系統でしょう。ソースコードの流用もほとんどなさそう。だから、Falcon のソースコードが開示されることは未来永劫なさそう」だそうだ。残念。。。
が、開発陣曰く「Horos とは別系統でしょう。ソースコードの流用もほとんどなさそう。だから、Falcon のソースコードが開示されることは未来永劫なさそう」だそうだ。残念。。。
そして・・・大事なことなので繰り返しますが、
Falcon は horos とは技術的には何の関係もない
ようです。
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